私には一人娘がいます。
今は保育園で、まだまだ可愛いさかり。
幸せになってほしい、そう心から思えます。
幸せな大人になってほしい、いい男と結婚してほしい。
いや、いい男じゃなくてもいい。
ちゃんと娘を愛してくれるなら・・・。
娘が生まれとき、はじめにしたことがあります。
ロマンチックだと笑われるかもしれないんですが、それは・・・、エルビス・プレスリーの「ラブ・ミー・テンダー(Love Me Tender)」を耳元で歌うこと。
キミは愛されて生まれてきたんだと、伝えたかったんですね。
愛されたことを忘れてしまう
新生児で目も見えてないし、耳もじゅうぶんでないけれど、生まれる前からそうしようと決めていました。
だから生まれた翌日に病院へかけつけ、妻がトイレに立って、はじめて小さな娘とふたりきりになったとき、私はそっとささやかけたんです。
妻には気づかれないように。
♪ ラブ・ミー・テンダー、ラブ・ミー・スイート(わたしを優しく愛して、わたしを甘く愛して♪
たくさんの人にやさしく愛される大人になってほしい。そう願いを込めて。
私もあなたも同じように、そうやって大切にされて、生まれた日を過ごしたはずなんですよね。
トイレの中に産み落とされたわけじゃないし、橋の下に投げ捨てられたわけでもない。
分娩台のうえで生まれて、それから丁寧に丁寧に扱われて、暖かいベッドに運ばれたんです。
それから、病院の人たちや、お父さん、お母さん、その友人たちや、たくさんの親戚に祝福された。
みんなみんな、祝福されて生まれてきたんです。
なのに大人になると、愛されて生まれてきたことを、忘れてしまう人が多くなる。
あなたはどうですか?
ちゃんと愛されたいなら・・・
愛されずに生まれてきた人なんて、いるんでしょうか?
あなたもきっと、祝福されて生まれてきた。
この事実を、社会にもまれて生きていると、忘れてしまうんですよね。
「私は祝福されて生まれてきた」
「私には愛される価値がある」
「私には幸せになる価値がある」
ちゃんと愛されたいなら、このセルフイメージがものすごく大事です。
でないと、ささいなことで疑心暗鬼になって、自ら幸せを遠ざけてしまいますから。
そこでちょっと、
あなたが生まれた日にさかのぼってみませんか?
・・・
人生の最初の日、産科医や看護婦さんに囲まれて、ママの体から外に飛び出します。
まっ、まぶしい、ここどこ?怖いー、とりあえず、泣いとく。えーーーーーーん!
がやがや、周りがうるさい。ああ、おじいちゃんとおばあちゃんか。
お、この声は聞き覚えがある。パパだ、でれでれだよ。
おっと、こんどは別のおじいちゃんとおばあちゃん、あ、おばさんも来た。
それにしても、そんなにうれしいもんかね、私が生まれて・・・。
なんてね。
こうやって、あなたの生まれた日を妄想してみるんです。
もしも嫌な気持ちになったら、やめといてくださいね。
まぁ、たぶん、どうやっても、幸せな気持ちにしかならないと思いますけど。
あなたも私も愛されて生まれてきました。
それは間違いありません。
「わたしには愛される価値がある」
愛される価値があると分かれば、もっと愛されやすくなっていきます。
たとえ、自分はダメだと思っても・・・
以前、こう言ってる女性に会ったことがあります。
「もうバツ2だし、生まれ変わったら、幸せになれるのかな。」
それから、こういう女性もいました。
「わたし、好きな人がいるんです。でも、2番目でもいいんですよ。」
彼女たちが生まれた日、そんなことを望んでいた大人がいたんでしょうか。
誰もがあなたを見てこう思ったはずです。
幸せになってほしいって。
それから何十年もたって、あなたの幸せを願った人たちは、みんな、歳をとってしまった。
もう、あなたを幸せにしてあげられる力はありません。
あとは、あなたが、自分で自分を幸せにするしかない。
もう、誰のせいでもない。あなたの人生です。
幸せかどうかは、あなた次第。
愛される価値がない。ダメな奴かもしれない。
多くの人がひそかに、そう心配しています。
みんなどこかで、自分の存在価値を疑っている。
だから、褒めてほしいし、認めてほしいし、関心をもってほしい、愛してほしい、そう願っているんです。
セルフイメージを高める「幸せな妄想」
私に愛される価値があるんだろうか?
そう心配になったら、あなたが生まれた日を妄想してください。
だれがあなたに、どんな声をかけて、どれだけ丁寧に扱ってくれたのかを。
愛されて生まれて来たってことが、思い出せますから。
私はときどき、娘がどんな結婚式をするだろうか?って想像します。
でね、いい迷惑なことに、式でどんな歌を歌おうか?なんて考えてるわけです。
迷惑な話でしょう?まあ、断固拒否される可能性が高いんですけどね。
でも、ウエディングドレスに身を包んだ娘と、隣にいるいい男のために、また歌ってあげたいと思っているんですよ。
ラブ・ミー・テンダーを。