こんにちは、小島です!
「あんたは自分の部屋にあんまりいろんなものを外から持ちこんでちらかしすぎるよ、アン。寝室というものは眠るためにあるのだよ」
「あら、それから夢を見るためでもあるわ、マリラ。それにほら、部屋にきれいなものがあったほうがよけい、いい夢が見られるじゃないの」
(「赤毛のアン」より)
ミニマリスト(最小限主義者)という言葉をよく聞くようになりましたね。
彼らや彼女らは、徹底的に持つモノを少なくして暮らしています。
なんと、すべての所有物がスーツケース1つに収まったり、部屋にあるのはパソコンとテーブルだけという人もいるとか。
合理的で味気ないという声もありますが、じつは「ムダを捨てる力」が身につくと、幸せを引き寄せやすくなるんですよ。
心と空間はつながっている
私たちの心は思っている以上に、空間から影響を受けています。
カラスが散乱させたゴミ置き場を見れば、どんなにさわやかな朝でも気が滅入るでしょう?
プリンストン大学の神経科学研究所によれば、周りが物理的に散らかっていると、脳は混乱し、集中力や情報処理力が下がるそうです。
まれに散らかってたほうが落ち着く、アイデアがわきやすい人もいますが、ほとんどの人は、きれいな場所にいたほうが「いい気分」になり、仕事や家事がはかどります。
幸せを引き寄せるには、「いい気分」でいることが欠かせません。
誰でも不機嫌そうな人には近づきませんし、いい話を持っていこうとも思いませんよね。
いい気分がポジティブな事を引き寄せ、いやな気分はネガティブな事を引き寄せます。
ただ・・・、意志の力で「いい気分」になるのはけっこう大変。
ですから、「いい気分」にさせてくれる空間が必要なんです。
身の回りをきれいにするには、ムダを捨てる必要があります。
美しさとは秩序と調和があって、ムダが少ないもの。
ムダな持ち物なんて一つもないよ、と思うかもしれませんが、「ガラクタ」ならどうでしょうか。
ライフコーチのマリー=クレール・カーライルによると、ガラクタとは「愛着がないもの、使い道がないもの、乱雑に置いてあるもの」。
部屋にガラクタがあると、無意識下であなたの「いい気分」はダウンしてしまいます。
ミニマリストは捨てる、徹底的に
誰でもガラクタに気づきながら、じつは見て見ぬふりをしています。
明日捨てよう、来週捨てよう、いつか捨てよう。
そこにあるのを許すと、いつのまにかガラクタはインテリアの一部に変わります。
ガラクタがガラクタを呼んで、積みかさなっていく悪循環。
路上の自転車のカゴにごみがあると、次々にごみが投げ入れられていきますよね?
積み重なるごとに、ますます「いい気分」はダウンして、幸せを引き寄せにくくなっていきます。
たとえば、こんなガラクタはありませんか?
戸棚にある古い薬、冷蔵庫の奥にある期限切れの食品、下駄箱のすり切れたスニーカー、風呂場の使っていないシャンプー、玄関先にたまったビニール傘、引き出しに何本もあるボールペン、ヨレヨレになったTシャツ、切れた電球、使用済みの電池、使わない化粧品、撮りためた録画、古い年賀状、引き出物の食器、現物のない取扱説明書、・・・etc.
片づけコンサルタントの近藤麻里恵さんは、「片づけは祭り」だと語っています。
毎日ではなく、短期間で一気に片づけたほうがリバウンドもないそうです。
ミニマリストと呼ばれる人たちも徹底的に捨てます。
どれだけ少ないモノで暮らせるか、そんな競争でもするかのように捨てていく。
3日坊主になる前に、一気に捨てきる高揚感も必要なんですよね。
その気になれない場合は、たった1つ、こんなルールを設定してみましょう。
「イライラしたら、何か捨てる」
イライラしたら、何か捨てる
それはゆううつな朝だった。マリラは猛烈な勢いで働き、何もすることがなくなってしまうと、玄関のタタキと製乳室の棚をみがいた。
棚もタタキもこする必要はなかったが、マリラにその必要があった。
これは赤毛のアンで、養母がアンへのいら立ちを持てあまして、掃除に没頭する場面です。
あなたもイライラしたり、モヤモヤしたら、一か所だけ、ガラクタが気になるスペースを片づけてみましょう。
冷蔵庫の野菜室から古くなった白菜を捨てる、本棚から二度と読まない本を捨てる、クローゼットから流行遅れの服を捨てる。
よどんだ場所がスッキリすると、心が晴れやかになるもの。
イライラするたびに、あなたの部屋はキレイになっていきます。
もっと簡単な方法もあります。
「イライラしたら、何か1つ捨てる」
イヤな気持ちになったら、周りにガラクタがないかどうか探してください。
ドレッサーでも、バッグや財布の中でも構いません。
不快なときは、美しいものより、汚いものに意識が向きます。
気になるガラクタは、あなたの心模様。
イライラやモヤモヤと一緒に捨ててください。
部屋からガラクタが消えるたびに、あなたも「いい気分」になりますよ。
いい気分が、引き寄せる力を高める
美しい庭は喜びを与えてくれるわ。満天の星と同じよ。草原に咲き乱れる白いデージーを想像してみて。無数のデージーが光をあびて、白く輝くの。まさに夜空の星のよう。他に何もいらないと思うわ。
(園芸家、絵本画家 ターシャ・テューダー)
「いい気分」だと感じる空間は、人によって異なります。
モノが少ないほどに安らぐ人もいれば、好きなものに多く囲まれて元気になる人もいます。
ですが、つまるところモノの量は二の次です。
大切なのは、エネルギーを与えてくれるものが多く、エネルギーを奪うものが少ないこと。
ガラクタを捨てるたびに、いい気分になり、ポジティブな現実を引き寄せやすくなっていくでしょう。
《参考》
・赤毛のアン(ルーシー・M・モンゴメリ著)
・思うとおりに歩めばいいのよ(ターシャ・テューダー著)
・お金はこうして引き寄せる(マリー=クレール・カーライル著)