私は昔、ずっと欲しがってばかりいました。
アラフォーになってもまだ、社会や誰かが「自分に幸せを与えてくれる」のを待っていました。
欲しがるばかりで、人に与えることが少なかったんですよ。
「サンタって本当にいるの?」
サンタの存在を疑いはじめた子どもにはこう回答してあげたらいいよ、という「提案」が、今、SNS上で世界に広まっているそうです。
「サンタって本当にいるの?」
君は体も心もすごく成長したから、そろそろサンタクロースになれると思う。
「サンタなんか本当はいないよ」っていう友だちもいるだろうけど。
でも、そんなふうに思う子は、まだ自分がサンタになれるほど成長していないんだ。もう十分に大きくなったんだから、今度は君がサンタになろうよ。
(Jaclyn Youhana Garver , Lifehacker )原文より一部抜粋して引用
仕事でも恋でも幸せを長続きさせるには、欲しがるばかりはもちろんのこと、じつは与えるばかりでもダメなんです。
あなたは知っていますか?
単なるスピリチュアルな話ではない、本当のギブアンドテイクの法則を。
あなたはギブする人?テイクする人?
「テイカ―」「マッチャー」「ギバー」という言葉があります。
アダム・グラントという世界的に名高いビジネススクールの組織心理学者が使っている、人との関わり方をタイプ分けしたもの。
・テイカーとは「take」する人。
常に与えるよりも多くを受け取ろうとします。
・マッチャーとは「match」させる人。
与えることと受け取ることの分量をバランスさせようとします。
・ギバーとは「give」する人。
受け取るよりも多くを与えようとします。
そして、アダム・グラントはこの3つのタイプのうち、誰が一番成功しやすいかを調べました。
すると・・・、
成功からほど遠い位置にいるのは、ほとんどがギバーだ。
どの重要な職業を例にとっても、ギバーはいつも割を食っている。
それは、自分の成功を犠牲にして、相手の利益を優先しているからなのだ。
(GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代、アダム・グラント著)
ええーーー!
マザー・テレサのような人が幸せになりやすい世界であって欲しいって願うけれど、どうも現実はそうなっていないようで。
たしかに周りを見渡せば、テイカーであることが一番、がつがつと成功や幸せをゲットできているように見えます。
マッチャーならまだいいほうで、ギバーなんていったら、都合のいいお人好しですからね。
でも・・・、この話には続きがあるんです。
ギバーのリスクと本当の成果
(エンジニアリング業界を調査すると、)一番生産性の低いエンジニアはほとんどがギバーだった。
ところがもっとも生産性の高いエンジニアも、やはりギバーだったのだ。もっとも成功する人ともっとも成功しない人がギバーである一方で、テイカーやマッチャーはおそらく、ほどほどの成功に留まるのだろう。
このパターンはどの分野でも変わらない。
ギバーは底辺でくすぶる危険がありながら、成功の上辺にもなる可能性がある、ということなんですね。
そもそも、ギバーというのは自分がやるべきことより、他人のためにばかり時間とエネルギーを使いがち。
自らの利益に忠実なテイカーや、損得勘定がしっかりしているマッチャーよりも、自分のことをなおざりにしやすいんです。
ですから、短期的にはギバーの人は成果を上げにくくなってしまう。
そう、短期的には。
ギブアンドテイクの長期的な影響は?
どんな有能な人でも、ひとりでは成功できません。
仕事であれ、お金であれ、結婚や恋愛であれ、その根底にはいつも「人への関わり方」が大きく影響しています。
テイカ―とマッチャーはしばしば先を見越して、近々助けてもらいたいと思っている人に親切にする。
目先の損得だけで与える行動をしていると、長い目で見れば評判も下がりますし、人から助けられたり、応援されることが少なくなってしまいますからね。
人間関係が長期になるほど、与えるつづけることはプラスへ、奪いつづけることはマイナスへ、その影響は雪だるま式に増えていきます。
これは組織心理学というロジカルな観点からだけでなく、スピリチュアルな点から見ても、ギバーであるほうが長期的には恵みが多くなると思います。
誰だって、多くを与えてくれる人と一緒にいたいし、友だちや恋人や仕事のパートナーになりたいですからね。
「類は友を呼ぶ。」
与える人は、与える人とつながり、いい出来事やチャンスとの巡り合わせも増えていきます。
あなたはテイカ―ですか?マッチャー?それともギバーでしょうか?
もし、少しでもギバーになりたいなと思ったら、どうかこれだけはご注意を。
人に与えることにかまけて、自分を犠牲にしないで。
どんなに人に尽くしても、自分を犠牲にすればギバーは成功の底辺に落ちてしまいます。
ギバーが成功の上辺に入るには、他人はもちろんのこと、自分もしっかり大切にしなければなりません。
二種類のギバー
「与える」という行為には、大きく分けると二種類の「動機」があります。
「愛」から与えるか、「怖れ」から与えるか。
「愛」から与えるというのは、純粋に相手の幸せを願い、自分ができることをしてあげるという行為です。
一方、「怖れ」から与えるというのは、自分が嫌われたり、捨てられたり、困った状況にならないように人に奉仕しようとする行為です。
はた目には「与える」行為で同じように見えますが、与えている動機はまるで違う。
仕事でも恋愛でも家族関係でも、怖れから与えてばかりいると、相手の言いなりになって、イヤなことにノーと言えなくなったりします。
都合のいい人、お人よしで割をくうことが多くなってしまう。
たとえば、嫌われたくない、申し訳ない、という思いから相手に奉仕していると、相手に都合よく扱われるばかりになり、その弱みに付け込まれることになる。
人に大切にされないという状況を何度も経験するはめになるでしょう。
でも、嫌われてもかまわない、私には価値がある、という思いを持った人の親切は、強くて美しい。
そこに恐れはなく、相手に依存することも、また依存されることもない。
たんに相手を思いやる愛だけがそこにあるんですね。
怖れから与えると自己犠牲的なギバーになって、成功はもちろん、幸せの底辺にとどまってしまいます。
愛から与えると、他人も自分も大切にできるし、上辺へと上がることができる。
愛から与えるとか、怖れから与えるというのがピンと来ない場合は、いつでも「全体の善」を心がけてみてください。
あの人だけではなく、私だけでもなく、関わりのあるすべての人にとっての善は何か?です。
長期的に成功したり、愛されるには・・・
サンタは世界中に惜しみなく与えてくれるギバーですよね。
だから、大人も子どももサンタが大好き。
誰だって、自分から奪っていく人より、自分に与えてくれる人と関わりたい。
だから、長期的に成功したり、愛されたりするためには自分でサンタになるのが近道です。
けれど、自分から与えるのが怖くてたまらない、意味が分からない、と躊躇してしまうなら・・・、
そういう人はもしかすると、「私には与えるものがない」「無力な存在だ」と、心の奥底で、間違って信じ込んでいるのかもしれませんね。
その場合は、セルフイメージを見直したり、ネガティブな思い込みを解消するといった、内面的な取り組みがおおいに役立つでしょう。
少しでもサンタのような心持ちでいる時間が増えたら、世界があなたを放っておくはずがありませんよ^^