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働くママの思い込み、三歳児神話。

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幼子をもつ、働くママの大きな悩みが「保育園」。数が少なくて入れるのに一苦労、と同時に、子どもを他人に預けることへの罪悪感がついてまわります。「子どもが3歳まで、母親がマンツーマンで育てないと、その後の成長に悪い影響がでる」。いまだに多くの人が、この三歳児神話にとりつかれています。

15年以上も前、すでに国は「三歳児神話には、少なくとも合理的な根拠は認められない。(平成10年版厚生白書)」とはっきり示しました。アメリカでも三歳児神話を否定するに足る、いくつかの実験が行われています。

三歳児神話のウソ。

社会学者、古市憲寿さんのベストセラー「保育園義務教育化」のなかで、アメリカのペリー幼稚園プログラムという実験について述べられています。「良質な保育園へ通うことができた子どもたちは、その後の人生で成功する確率が高くなることがわかった。また、保育園へ通った子どもたちは、学歴と収入が高くなった一方で、犯罪率は低かった」。

この実験では、3~4歳の子どもたちを、良質な幼児教育を施したグループとまったく施さなかったグループに分けて、その後の40年間を調査しています。IQは8歳頃までに差がなくなりましたが、「非認知能力」には大きな差がつきました。非認知能力とは、自制心、やる気、忍耐力、想像力などの「こころの力」のことです。非認知能力は集団のなかで育まれ、人生の成功にはIQより重要であると言われています。

古市さんは、こうした非認知能力を育めるなどのメリットを示しながら、0歳から小学校に入るまでの保育園・幼稚園を無料化して、義務教育にすればいいと提案しています。義務といっても、週に1時間でもいいそうです。働くママにとっては、子育てを社会と協力して行うための免罪符となり、心身や経済的な負担も軽くなるでしょう。このアイデアが実現するとき、今よりずっと子育てしやすい環境が整っているはずです。

 

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能力よりも、さらに重要なもの。

このように、母親がマンツーマンで育てるべき、という三歳児神話には根拠がありません。だからといって、子育てを保育園や幼稚園に丸投げして構わないということでもありません。人間の幸せは、IQや非認知能力といった能力だけでは決まらないからです。

IQが低くて勉強が不得意でも、非認知能力が低くて空気の読めないKYであっても、幸せそうな人はたくさんいます。ダメなのに、なぜか愛される人たち。そこに共通している資質のひとつが、「自己価値感」です。家庭で親から得られる最大の恩恵にして、人生のあらゆる場面でもっとも幸せに影響するものです。

わたしは愛される価値がある」という自己価値感は、仕事や結婚はもちろん、お金や健康にすら大きな影響力を持っています。もちろん、大人になっても自己価値感を高めることはできます。ですが、子どもの頃から育んでいたほうが、たくさんのチャンスを手にし、活かす可能性も広がります。

子供の自己価値感を高めるには。

もっと一緒にいてあげたい、あれもこれもしてあげたい、でもそうできないストレスと罪悪感に悩む毎日。働くママにはいつも時間が足りません。子どもと過ごす時間が少ない場合は、一緒に過ごす時間の長さではなく、時間の質を上げることにフォーカスしましょう。

もしかしたら、子どもと一緒にいながら、仕事の悩みや不安で上の空になってはいませんか?どれほど一緒にいても、「心ここに在らず」では愛情が伝わりません。たとえば、あなたがパートナーに一生懸命に話しかけているとします。相手が上の空だったり、何かに夢中で生返事ばかりだったら、きっと寂しくなるでしょう。

作家エックハルト・トールはこんな金言を述べています。「子どもをみつめ、話を聞いてやり、触れ合い、あれこれを手伝ってやるときには、その瞬間以外は何も望まず、決して上の空にならず、穏やかに、静かに、完全にいまこのときだけを意識していること」。

 

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上の空にならない。

子どもは親から向けられる関心に敏感です。十分に関心を向けられていないと感じたら、叱られると分かっていても、何かをやらかすものです。時間の長さにとらわれず、少ない時間を、100%の関心をもって子どもと向き合う。これだけでも、子どもに「愛される価値がある」と伝えられます。

かつて、マザー・テレサはこう言いました。「大事なのは、どれだけたくさん行うかではなく、行うときにどれだけ愛を注ぐかです。どれだけ与えるかではなく、与えるときにどれだけ愛を注ぐかです」。

 

《参考》
保育園義務教育化(古市憲寿 著)
ニューアース(エックハルト・トール著)

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